みかん
ナース“みかん”です。
私は、第2子出産後に橋本病(甲状腺機能低下症)を発病しました。
産後3ヶ月頃に
首が太くなった!?
もしかして腫れてる?
って気にはなっていたんですが、赤ちゃんも小さいし、2ヶ月程放置してしまったんですよね。
その間イライラや体のだるさがひどかったんです。
あとは他者が見てもわからないくらいの足のむくみがありました。
妊娠・出産の影響から同じような症状がでることもあるんで、まさか他の病気が隠れてるなんて思いもしなかったんですよね。
今思えば橋本病の影響は少なからずありました。
薬を飲みはじめてからイライラもだるさも、かなり改善したんですよね。
橋本病は妊娠・出産や過度のストレスが引き金になったり、また稀に完治することもあるんです。
稀なケースかも知れませんが、産後のイライラがひどいときは、ちょっと頭の片隅に『橋本病』を置いて気になる症状がないか確認してみてくださいね。
私の経過も交えながら今回は橋本病について書いていくので参考にしてみてください。
※もちろん男性も患う病気ですし、妊娠・出産が原因ってこともありませんよ。
橋本病(甲状腺機能低下症)とは
甲状腺を異物と見なして抗体が作られます。その抗体が甲状腺自体の細胞を破壊していく病気です。
甲状腺が破壊されることで甲状腺ホルモンの分泌が低下します。
同じように、甲状腺を異物と見なして抗体が作られて、甲状腺を刺激し続けるバセドウ病って言う病気もあります。
作られる抗体によって、甲状腺を刺激するのか壊すのかで正反対の症状が起こります。
甲状腺ってどこにある?
甲状腺は喉仏の下あたりにある臓器で、蝶が羽を広げたような形をしています。
大きさは縦4cm、厚さ1~2cm程で、重さは20g以下の小ささです。
正常であれば触れることはできないんですが、腫れると見ただけでわかったり触れたりします。
私も首が腫れているのは自覚していたんですが、それ以外の明らかな症状がなかったんで放置してしまいました。
甲状腺の役割って?
食物(主に海藻)に含まれているヨウ素を材料にして甲状腺ホルモンを作っている器官です。
甲状腺ホルモンは新陳代謝を促進する作用がある他に、胎児や幼児の発育促進などに関わっています。
※新生児の代謝異常の一つとして、甲状腺の機能が低下するクレチン症があります。脳の成長や発育が遅くなるなどの発達にが影響があるんで早期治療が必要になります。
症状
橋本病を患っても、すべての人が甲状腺機能低下を起こすわけではなくて、機能低下を起こしているのは約40%だと言われています。
機能低下が起きていない人は無症状、または喉の違和感や腫れなどの症状があります。
機能低下を起こしている人は、
全身のだるさやむくみ、代謝が低下することによって体重が増加したり寒がりになったりします。
またやる気が起きなかったり、イライラしたり、物忘れがあるなどの精神症状もでることがあります。
簡単に言えば新陳代謝が低下するんで老け込んだ状態になるってことです。
私も全身のだるさとイライラがひどかったんですが、産後3ヶ月程やったこともあり産後のせいやとばっかり思い込んでいました。
もし産後上記の症状が長引いたり、首が腫れているようなことがあれば橋本病の可能性もあるので一度受診して調べてもらうと良いと思います。
診断
血液検査と超音波エコーで診断します。
私の場合、たまたま高熱が出て病院を受診する機会があったので、ついでに首も見てもらったのがきっかけでした。
血液検査と超音波エコーで橋本病って診断されました。
※余談ですが、総合病院ではエコーは予約制のことが多いんで案外クリニックの方がすぐに検査してもらえる場合があります。
血液検査は病院にもよりますが、結果が出るまでに4日程かかるのですぐには診断できません。
血液検査
甲状腺ホルモンはヨードが4つ結合したT4、ヨードが3つ結合したT3が存在します。
T4:甲状腺から分泌されるホルモンのほとんどを占めている。ホルモンとしての力は弱いです。
甲状腺のホルモンを作る能力を調べるときはT4を見ます。
T3:多くは甲状腺から分泌されたT4が肝臓などで作り換えられたものです。細胞に働きかける作用があります。
甲状腺ホルモンの全身への働きの程度を調べるときはT3を見ます。
TSH(甲状腺刺激ホルモン):脳下垂体という場所から分泌されるホルモンの一つです。
脳下垂体は甲状腺ホルモンの量を絶えず監視していて、足りないときはTSHの分泌量を増やして甲状腺を刺激しています。
また多いときはTSHを出さないようにして刺激しないようにしています。
そのためTSHの値を知ることで甲状腺ホルモンの過不足を見ることができます。
治療
機能低下が起きていない場合は特に治療の必要はありません。甲状腺の腫れがひどい場合は薬を内服することによって腫れが軽減することがあります。
機能低下を起こしている場合は、チラーヂンという甲状腺ホルモンを補う薬を内服することになります。
足りないものを補うだけなので難しくはないんですよね。
もしこれがバセドウ病であれば、多すぎるホルモンを抑える必要があるので大変になります。
例えるなら、料理に醤油が足りなければ足せばいいですよね。でも入れすぎた場合は醤油の味を抑えるなんて至難の技です。
内分泌の医師が『足りないものを足すだけやから、病気の中でも一番簡単』って言ってました(^_^;)
それと、妊娠時は甲状腺ホルモンを多く必要とするんで、内服薬を増量することがあります。
3ヶ月おき程度に血液検査を行ってホルモンの量を調べることになります。
妊娠・出産
橋本病を患っても、内服でコントロールすることで妊娠・出産も問題なくできます。
私自身も第3子は内服薬を飲みながらの妊娠・出産でしたが、トラブルはありませんでした。
薬を増量することもなかったです。
完治はできるの?
基本的には完治のない長く付き合う病気になります。
ただし妊娠や出産がきっかけで一時的な発病もあるんだとか。
私の場合、第2子出産後に発病。
治療を開始したんですが、検査データはそこそこ悪く数回薬が増量されました。
そのまま内服治療を続け、第3子を妊娠・出産。
内服開始から5年後、第3子出産後に採血の結果甲状腺ホルモンの量が増えていたようで、一旦内服を中断して様子を見ています。
もう内服を止めてから一年が経とうとしています。
今後の経過次第ではこのまま治療終了となるようなので、それを期待しているところです(*^^*)
まとめ
産後のイライラって『ホルモンのバランス』っていうイメージが大きかったりしますよね。
確かに橋本病もホルモンなんですが、きっと皆がイメージしてる産後のイライラの原因とは違うんじゃないでしょうか。
見落とされがちな部分ではあるんで、ちょっとだけ首もとに注意してみたり、長期に渡ってイライラするようなことがあったり気になる症状があれば受診してみてくださいね。